大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和30年(オ)530号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔要旨〕賃料を延滞したことを理由に催告ならびに契約解除の意思表示がなされた後、賃借人から、賃貸人の負担に属する修繕費の立替金を以て相殺の意思表示がなされたとしても、これによつては解除の前提としての催告ならびに契約解除の効力に影響を及ぼすことはできない。

〔説明〕賃貸借契約が賃料不払ノ為一旦適法ニ解除セラレタル以上、縦令賃借人が契約解除前賃貸人ニ対シテ有セシ相殺ニ適シタル債権ヲ後ニ至リ之ガ相殺ニ援用スルモ、如上賃貸借契約ノ解除ニ何等ノ影響ナキモノトス(大一〇・一・一八民録七九頁)および民法五〇六条の遡及効は相殺の債権債務それ自体に対して生ずるにとゞまり、相殺の意思表示以前既に有効になされた契約解除の効力には何等の影響を与えるものではないとする昭三二、三、八第二小法廷判決(判例集末登載)と同趣旨である。

(三淵調査官)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!